わかやま保育のひろば
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ノンコンタクトタイム&年間休日120日導入で、職員の時間も大切にした働く環境づくりを実現!

お話を伺った施設
輝きの森学園

お話を伺った人
社会福祉法人 泉新会
輝きの森学園 奈良 理子 園長

輝きの森学園 保育の様子の写真②

“職員の時間も大切に”その想いからはじめた働きやすい環境づくり

 本園では、職員が自分の時間も大切にしながら働けるよう、ノンコンタクトタイム※の導入や年間120日の休日を確保する年間休日120日など、働きやすい環境づくりに取り組んでいます。こどもと関わる職員の心にゆとりがあることは、保育の質の向上にもつながる大切な要素だと考えています。そのゆとりを生むには、保育や保育に関わる業務に余裕をもって取り組めることが欠かせません。そこで本園では、仕事とプライベートの両立を大切にしながら、日々の保育を支える仕組みを少しずつ整えてきました。
 具体的には保育に必要な職員数が確保できていることを見える化することにしました。自分の休日にだれがどう動いてくれているかを知ることは安心して休めることに繋がり、また、他の職員が休日を取る場合にもカバーしあう気持ちが生まれます。
※保育士がこどもと直接関わらず、書類作成や行事・制作物の準備などの業務を行う時間のことです。

輝きの森学園 保育の様子の写真③

ノンコンタクトタイム導入のポイントは“職員配置の見える化”

 ノンコンタクトタイム導入のきっかけは、残業時間を縮減するため、勤務時間内に書類作成などの業務時間をどう確保するかを考えたことでした。以前から昼食や休憩時にこどもから離れる時間を取っていましたが、書類作成や行事、制作物の準備などの業務に取り組む時間が足りず、やむを得ず残業が発生することもありました。これらの業務も保育を行う上で欠かせない大切な仕事であり、丁寧に取り組む必要があります。そこで、業務の効率化と働き方を見直すため、3〜4年前に書類の精査とICTシステム導入とともにノンコンタクトタイムを取り入れました。

学年児童数職員数
0歳児
1歳児16
2歳児18
3歳児30
4歳児33
5歳児32
【別表】 ※令和7年9月1日現在
【別図】 PDFはこちら

 導入にあたっては、柔軟な働き方を取り入れている園の見学を通じて「人の動き方を変える」ことの重要性を学び、職員全員で話し合い、意見を出し合いながら前向きに進めました。本園では、どのクラスも複数担任を配置し、それに加えフリー職員を配置することで、柔軟な運用が可能です。ノンコンタクトタイムは決まった時間に行うのではなく、職員配置に応じて柔軟に実施しています。また、午前、午後に、だれがどのクラスにいるかをマグネットをボードに配置(別図参照)することで、毎日、職場の状況を可視化しました。このマグネットの配置を見ながら職員同士が声をかけ合いながら自然に調整し、無理なくノンコンタクトタイムを取っています。

輝きの森学園 保育の様子の写真④

年間休日120日を支える、仕組みと日々の工夫

 本園では、安定した人員体制を整えているので、職員が安心して休みを取ることができます。“年間休日120日”は約10年前から実施しています。正職員は、月1回程度土曜勤務がありますが、平日に振り替えています。シフトは、主幹保育教諭が職員の予定を丁寧に聞き取りながら調整していて、年休も事前申請することで、取得可能です。
 急な休みや長期休暇に対しても、フリー職員の配置に加え、職員同士が協力し合える体制や、保育内容の工夫で、柔軟に対応しています。たとえば、急な職員の休みが出たときには、朝の時点で職員同士が声をかけ合い、どのクラスにだれが入るかを調整しています。活動内容もその日のメンバーに合わせて無理のない形に見直すなど、日々の小さな工夫を積み重ねています。
 本園では、“みんなでみんなを見る保育”を大切にしており、環境設定や活動の進め方もその考えに基づいています。どの職員がどのクラスに入っても、こどもにとって必要な保育が途切れず届くよう、日々工夫を重ねながら、保育の質と働きやすさの両立を支えています。

職員同士で声をかけあって、みんなで保育を楽しみたい!

 ノンコンタクトタイムや年間休日120日といった仕組みは、制度だけで成り立つものではありません。“自分たちの時間と環境は自分たちでつくる”という意識のもと、職員同士の声かけや思いやりによって支えられてきました。職員が保育室を離れることへの罪悪感や、こどもの表情を見逃したくないという思いにも寄り添いながら、安心して保育室を離れたり休んだりできるよう、「今、事務仕事、出来るんと違う?」、「代わりに入るよ!」といった日々の声かけや思いやりが欠かせません。抜けにくさを感じる職員には、主幹保育教諭が不安の背景を丁寧に聞き取り、不安解消に努めています。園長や副園長も定期的に気にかけるなど、園全体で支え合う姿勢を大切にしています。職員同士の思いやりが、こどもにとって、安心できる保育環境につながりますし、職員にとっても休みの日には旅行やライブを楽しんだり、こどもの行事に参加したり、看護や介護にあてることもあり、私生活も大切にできるようになっています。課題や検討すべき点はまだまだあり、今後もブラッシュアップは必要ですが本園では「こんなのがあったらいいな」で終わらせず、「じゃあやってみよう!」と前向きに動き出す姿勢を大切にしながら、色々な世代で声をかけ合い、保育を楽しんでいます。

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