職員定着のため、クレドを導入し、園の行動規範を作る
お話を伺った施設
新堀こども園
お話を伺った人
社会福祉法人 わらべ会
新堀こども園 大林 弘嗣 園長

職員定着のため、クレドを導入し、園の行動規範を作る。

本園では、リッツカールトンやウォルト・ディズニー・カンパニーでも導入しているクレド(正式名称はクレド・ステートメント)を導入しています。クレドは、企業や組織の価値観や信念を明確に表すことであり、従業員に対して行動指針を示すものです。
クレドの導入は、職員定着の課題に対する解決策を考えていた時に、本園には行動規範がないことに気付いたことがきっかけです。職員の定着率を上げるには、職場の人間関係が重要である思います。人間関係を構築するうえで、園の方針や目的がもっと明確であるべきだと考えました。園の方針や目的が不明瞭であると、個人の見解で業務にあたることとなってしまい、結果として職員間での問題に発展してしまいかねないからです。就業規則では示せないことをクレドで整理し、職員全員が理解することで意識が向上すると考えた私は、今までの経験をもとに本園にとって大切にしたいことなどを整理するとともに、上席の職員に意見を求めながら、職員にとって理解しやすいクレドを設定しました。
クレドのおかげで、職員は納得して業務にあたることができる。
クレドを設定してからは、リーダー職員の検討に基づき、週に一度、クレドの読み合わせを行うようにしました。職員全員が集まる時間の確保は難しいため、数人の職員でチームを編成し、読み合わせをした後、その報告を受けています。
クレドを導入してからは、職員から相談を受けた際に、クレドに記載していることに基づいて回答しています。クレドに基づいて説明することで、職員は考え方の整理ができ、納得して業務にあたることができています。また、クレドを業務の中心に置くことで、個人の考えで判断するのではなく、クレドの考え方をもとに判断することになります。それにより、職員の考え方が自然と改まり、また、職員間のコミュニケーションが改善したこともありました。職員自身は業務の中で、クレドに書かれている言葉の意味を体感し、納得する機会もあるようです。
いろんな意見が出る場所だからこそ、“軸となる考え方”が大切。

保育現場では、専門的な知識を持つ職員が、こどもと関わる上で必要なことを考え、様々な意見を出すことは当たり前のことです。その意見をよりまとめやすくするには、“軸となる考え方”が必要なんだと思います。
クレドを導入したことで、職員の考え方に変化が生まれ、職員は“何のために仕事をするのか”など明確な共通認識を持って日々の業務を行うことができています。また、共通認識があることで職員の連携が円滑となり、結果として、風通しの良い職場づくりへとつながっています。
当初設定したクレドからほとんど書き換えることなく今に至っています。これからも、クレドを中心に職員の連携をより円滑にし、こどもと向き合える環境を重視していきたいです。
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