わかやま保育のひろば
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メールやLINEを使えれば、ICTシステムは使えます!

お話を伺った施設
新堀こども園

お話を伺った人
社会福祉法人 わらべ会
新堀こども園 大林 弘嗣 園長

社会福祉法人わらべ会 新堀こども園 大林 弘嗣 園長

メールやLINEを使えれば、ICTシステムは使えます!

本園は、私が舵を取り、先進的に保育のICT化を進めています。保育現場のICTシステムの導入は、職員にとっては不安や抵抗があるかもしれません。でも、本園へ入職を希望する方にICTシステムについて説明する際は、「メールは打てますか?」「LINEは使えますか?」この2つの質問をし、それらが使えれば問題なく園のICTシステムを使うことができると伝えています。それくらい簡単に使える便利なものであり、スキルが無くても使いこなすことが可能だからです。

ICTシステムの導入で学んだ「やってみないと気づけないこと」

本園で、ICTシステムの導入を進めたのは、こどもと関わる時間を大切にするため、書類作成の業務効率化を考えたことがきっかけでした。

ICTシステムを導入する上で、まず、私は園で作成している書類の確認を行いました。その結果、お便りを手書きではなくパソコンによるワードで作成することから始めました。やり方を変えた時は、職員からの不満もありましたが、私は覚悟を持って職員と向き合い、まず「文章3行作成」から取り組んでもらいました。その後、様子を見ながら徐々に文章量を増やしていき、1年後でワードでの作成を定着化、2~3年後には、共有サーバーを活用することで、効率的な管理を可能にしていきました。

職員は、1年目は苦戦することもありました。しかし、2年目で去年のデータを活用することができる便利さに気付き、3年目には、過去のデータをテンプレートとして活用することの良さを知り、そこでやっとICTシステムの導入が業務の負担軽減につながっていることを理解してくれました。

職員の利便性を中心に、順序よくICTシステムを導入。

ワードでのお便り作成が軌道に乗ったころ、保護者への連絡をメールに切り替えました。この際、セキュリティーやバックアップの機能などメンテナンスの手間が少なく、どこからでも利用できる機能(ASP機能)のあるシステムを導入しました。

その後は、ICTシステムを使う職員の利便性を中心に考え、様々なICTシステムを導入していきました。カレンダー機能を活用したり、図書の管理もICT化しました。図書の管理システムは、業務負担軽減にとても効果がありました。また、機器の購入についても費用面等考えながら購入を進めました。

様々なICTシステムを導入する中で、最後に着手したのは、保護者との連絡帳です。連絡帳は、職員と保護者との大切なコミュニケーションのツールですが、その内容は当事者しか知ることができない場合が多いと思います。そのため、時として思わぬことが原因で、保護者との信頼関係に影響を及ぼす可能性もあります。だからこそ、管理職が管理可能なものを考えていました。この希望が叶うICTシステムを見つけてからは、園の方針を理解してくれている保護者のおかげもあって、2週間程度で導入することができました。

ICTシステムの導入により、職員の連携がよりスムーズに!

長年の経験を経て、職員は新たなICTシステムを導入しても、私の説明だけで概ね理解し、操作できるまで成長しました。そして、様々なICTシステムの導入により、職員の書類作成の負担が大きく減りました。今では、ICTシステムの導入を理由に、復職を希望する方や入職を希望する方も増えました。

保育の仕事は、“言葉で伝達する”ことが多く、重要ですが、この点に関しても良い効果が得られました。まず、ICTシステムのおかげで、園長から職員への伝達事項が漏れることなく、理解して欲しい事柄がそのまま伝わるようになりました。加えて、一度に多くの人に伝えられるので、業務効率化や職員の連携がよりスムーズになったと思います。また、職員が判断に迷うこと、些細な相談にもすぐに対応できる状況も作れています。

保護者との“言葉の伝達”においては、ICTシステムを導入したことで、職員の人数の少ない早朝の電話対応がなくなり、慌ただしく過ごすことがなくなりました。

これからもICTシステムを上手に活用して、こどもとの関わりを充実させたい!

新堀こども園 ICTシステムの導入

最近では、生成AIの活用も視野に入れています。例えば、こどもの記録作成において、職員には文章を作成する力より、こどもの育ちに関する変化を捉える力が重要であると思います。生成AIを活用すれば、こどもの記録は活用しやすいものが作成できるのではないかと考えています。そうすることで、職員は保育教諭としての業務に集中することができます。活用方法については、今後検討していきたいと思っています。

これからも、新たなICTシステムが出てくると思います。その機能を私がしっかり精査しながら職員におろしていき、職員がこどもと関われる時間を充実できるよう努めていきたいです。

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